患者の価値観を尊重しよう。

看護師の勤め先には、病院などの医療施設、もしくは老人ホームや介護付きマンション、企業の医務室などさまざまなところがあります。仕事内容の代表はもちろん看護ですが、患者の家族に対する説明や感情面のフォローなども必要とされます。この時に気を付けたいのは、それぞれの価値観であり、治療に対する考え方は個人で変わってきます。一般的な内容を説明するだけなら問題は起こりませんが、自分の気持ち、考えを言葉にしてしまうと、時にはトラブルに発展してしまうケースも出てくるでしょう。育ってきた環境、さらには宗教上の問題などが関わるケースもあり、独自の価値観が築かれている人もいますから、考えの押し付けは避けましょう。

患者の体調を考えるのは基本的に同じですが、治療というのは直接体に関わってくるものなので、患者は何かを決めるときには、安易に決断できません。医学的に最良の方法でも、宗教によっては悪とみなされる場合もあるので、非常にデリケートな問題です。これは患者だけではなく、患者の家族も同様で、自分の命よりも死後を大事に考えている人もいるので、説明の仕方によってはトラブルとなりかねないので、配慮が必要です。

医療で大切なのは患者との信頼関係を築くことであり、どれだけ最良の治療であっても、本人が望まないものは強くすすめることはできません。それだけに、コミュニケーションを大切にして心を開いてもらうようにするといった気持ちのやりとりが、とても大切になってきます。